コリジョンの伝搬とブロードキャストフレームの中継|情報処理安全確保支援士試験 令和7年春期午前Ⅱ 問18

出典:令和7年春期 午前Ⅱ 問18 分野:ネットワーク / データ通信と制御
イーサネットにおいて,ルータで接続された二つのセグメント間でのコリジョンの伝搬と、宛先MACアドレスの全てのビットが1であるブロードキャストフレームの中継について,適切な組合せはどれか。
  • ア:コリジョンの伝搬:伝搬しない / ブロードキャストフレームの中継:中継しない
  • イ:コリジョンの伝搬:伝搬しない / ブロードキャストフレームの中継:中継する
  • ウ:コリジョンの伝搬:伝搬する / ブロードキャストフレームの中継:中継しない
  • エ:コリジョンの伝搬:伝搬する / ブロードキャストフレームの中継:中継する
解説

コリジョンとは、ネットワーク上で複数の機器が同時にデータを送ろうとして、信号がぶつかってしまうことです。たとえば、1本の道を複数の車が同時に使おうとして、ぶつかってしまうようなイメージです。

このコリジョンが起こる範囲を、コリジョンドメインといいます。コリジョンドメインは、主にリピータやハブでつながれた範囲です。リピータやハブは、受け取った信号をそのまま他のポートへ流すだけなので、同じ範囲内では信号の衝突が起こる可能性があります。

一方、ブロードキャストフレームとは、同じネットワーク内のすべての機器に向けて送られるデータのことです。これは、教室で先生が「全員聞いてください」と呼びかけるようなものです。特定の1人だけではなく、その範囲にいる全員に届きます。

このブロードキャストフレームが届く範囲を、ブロードキャストドメインといいます。ブロードキャストドメインは、リピータ、ハブ、ブリッジなどでつながれた範囲です。ブリッジはコリジョンは分けられますが、ブロードキャストは通します。

重要なのは、ルータを越えると、コリジョンもブロードキャストフレームも基本的には届かないという点です。

まとめると、次のようになります。

用語 意味 届く・影響する範囲
コリジョン 信号同士の衝突 ハブやリピータでつながった範囲
コリジョンドメイン コリジョンが起こる範囲 ハブやリピータでつながった範囲
ブロードキャストフレーム 全員宛てに送るデータ ハブ、リピータ、ブリッジでつながった範囲
ブロードキャストドメイン ブロードキャストが届く範囲 ルータで区切られるまでの範囲
コリジョンの伝搬とブロードキャストフレームの中継

簡単に言うと、コリジョンは「信号がぶつかる範囲」、ブロードキャストは「全員宛てのデータが届く範囲」です。そして、どちらもルータを越えて別のネットワークまでは届かない、と覚えると分かりやすいです。

したがって、が適切です。

❌他選択肢が誤りの理由
イ:コリジョンの伝搬:伝搬しない / ブロードキャストフレームの中継:中継する
⇒ブロードキャストフレームを中継する、という点で違います。ルータは通常、レイヤ2のブロードキャストフレームを中継しません。
ウ:コリジョンの伝搬:伝搬する / ブロードキャストフレームの中継:中継しない
⇒コリジョンが伝搬する、という点で違います。ルータはコリジョンドメインを分割します。
エ:コリジョンの伝搬:伝搬する / ブロードキャストフレームの中継:中継する
⇒どちらも違います。ルータはコリジョンもレイヤ2ブロードキャストも通常は中継しません。
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まず押さえたいこと

ルータはネットワーク層でセグメントを分ける装置なので、コリジョンもブロードキャストフレームも別セグメントへそのまま伝搬させないと考えることが重要です。

迷ったときの判断軸

コリジョンは同一の衝突ドメイン内で発生するため、ルータを越えて伝わりません。また、宛先MACアドレスが全て1のブロードキャストフレームは同一LAN内には届きますが、ルータは通常、レイヤ2のブロードキャストフレームを中継しないと整理すると判断しやすくなります。

科目Bにつなげるために

科目Bでは、障害範囲や通信範囲を考えるときに、どの装置がコリジョンドメインやブロードキャストドメインを分割するのかを読み取る力が問われます。ルータはブロードキャストドメインを分ける装置、スイッチは基本的にコリジョンドメインを分ける装置として整理しておきましょう。