認証にクライアント証明書を用いるプロトコル|情報処理安全確保支援士 平成28年 春期午前Ⅱ試験 問16
出典:平成28年春期 午前Ⅱ 問16
分野:セキュリティ / セキュリティ実装技術
認証にクライアント証明書を用いるプロトコルはどれか。
- ア:EAP-FAST
- イ:EAP-MD5
- ウ:EAP-TLS
- エ:EAP-TTLS
TSUNAGARU-ADVICE
まず押さえたいこと
EAP-TLSは、IEEE 802.1Xなどで利用されるEAP方式の一つで、TLSを利用して認証を行います。クライアント側にもデジタル証明書を用意し、認証サーバとクライアントが互いの正当性を確認する証明書ベースの相互認証が特徴です。
迷ったときの判断軸
EAP-MD5はパスワードを基にしたチャレンジレスポンス方式で、EAP-FASTやEAP-TTLSはトンネルを確立した上で別の認証方式を利用できます。クライアント証明書を用いた相互認証が直接的な特徴として示されている場合は、EAP-TLS = クライアント証明書と結び付けて判断しましょう。
科目Bにつなげるために
科目Bでは、IEEE 802.1X・RADIUS・EAP・無線LAN・デジタル証明書などを組み合わせた認証構成が問われることがあります。方式名だけを暗記するのではなく、認証情報を誰が持ち、誰が誰を認証し、どの通信区間で証明書が使われるのかを追えるようにしておきましょう。
EAP(Extensible Authentication Protocol)は、IEEE 802.1Xなどで利用される認証の枠組みで、1種類の認証方式だけを指すものではありません。EAP-TLS・EAP-TTLS・EAP-FAST・EAP-MD5など、複数の認証方式を利用できます。
EAP-MD5は、ユーザー名とパスワードなどを基にしたチャレンジレスポンスによってクライアントを認証する方式です。クライアント側の認証はできますが、サーバ側を認証する仕組みを持たないため、相互認証には向きません。
EAP-TLSは、TLSの仕組みを利用し、サーバ証明書とクライアント証明書による相互認証を行う方式です。クライアント側にもデジタル証明書を用意する点が大きな特徴です。
EAP-TTLS(EAP Tunneled TLS)は、まずTLSによって主にサーバを証明書で認証し、安全なトンネルを確立します。その後、そのトンネルの中でユーザー名・パスワードなど各種の方法を用いてクライアントを認証します。
EAP-FASTは、Cisco社が開発したEAP方式で、安全なトンネルを確立したうえで、その内部でクライアント認証を行います。PACと呼ばれる認証情報を利用できる点も特徴です。
このうち、クライアント証明書を用いて認証する代表的な方式はEAP-TLSです。
したがって、ウが適切です。
❌他選択肢が誤りの理由ア:EAP-FAST
⇒EAP-FASTは、安全なトンネルを確立して、その内部でクライアント認証を行う方式です。クライアント証明書による相互認証を必須とする方式ではありません。
イ:EAP-MD5
⇒EAP-MD5は、チャレンジレスポンスを用いてクライアントを認証する方式です。デジタル証明書を用いた相互認証は行いません。
エ:EAP-TTLS
⇒EAP-TTLSでは、TLSによって主にサーバ側を証明書で認証し、その後に確立したトンネル内でクライアントを別の方式で認証します。クライアント証明書を用いることを特徴とする方式ではありません。