完全競争市場|中小企業診断士 令和7年第1次試験 経済学・経済政策 問15

出典:令和7年度 第1次試験問題 経済学・経済政策 第12問 分野:経済学・経済政策 / 経済指標の見方や読み方
完全競争市場における、ある上級財の需要曲線と供給曲線のシフトに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a この財にとって代替的な財の価格が下落すると、需要曲線は右方向にシフトするが、供給曲線は変化しない。
b 消費者の保有する資産額が増加すると、需要曲線は左方向にシフトするが、供給曲線は変化しない。
c この財を生産する企業に生産物1単位当たり定額の補助金が交付されると、供給曲線は左方向にシフトするが、需要曲線は変化しない。
d この財を生産するに際しての原材料費が増加すると、供給曲線は左方向にシフトするが、需要曲線は変化しない。
  • ア:a:正  b:正  c:誤  d:正
  • イ:a:正  b:誤  c:正  d:誤
  • ウ:a:誤  b:正  c:誤  d:正
  • エ:a:誤  b:誤  c:正  d:誤
  • オ:a:誤  b:誤  c:誤  d:正
解説
🧠解説(読点+ですます調)

この問題では、需要曲線と供給曲線をシフトさせる要因を区別できるかが問われています。

aについて、代替財の価格が下落すると、消費者は代替財を購入しやすくなります。そのため、この財の需要は減少し、需要曲線は左方向にシフトします。供給曲線は変化しませんが、「需要曲線は右方向にシフトする」という点が誤りです。

bについて、上級財とは、所得や資産が増えると需要が増加する財です。消費者の保有する資産額が増加すると、この財の需要曲線は右方向にシフトします。供給曲線は変化しませんが、「需要曲線は左方向にシフトする」という点が誤りです。

cについて、生産物1単位当たり定額の補助金が交付されると、企業の実質的な生産費用が下がります。そのため、同じ価格でも供給しやすくなり、供給曲線は右方向にシフトします。需要曲線は変化しませんが、「供給曲線は左方向にシフトする」という点が誤りです。

dについて、原材料費が増加すると、企業の生産費用が上昇します。そのため、同じ価格で供給できる量が減少し、供給曲線は左方向にシフトします。需要曲線は変化しないため、dは正しい記述です。

したがって、が適切です。

--- ❌他選択肢が誤りの理由
ア a:正  b:正  c:誤  d:正
⇒aとbの判断が誤りです。代替財の価格下落はこの財の需要を減少させ、資産額の増加は上級財の需要を増加させます。
イ a:正  b:誤  c:正  d:誤
⇒a、c、dの判断が誤りです。aは需要曲線が左方向、cは供給曲線が右方向、dは供給曲線が左方向にシフトします。
ウ a:誤  b:正  c:誤  d:正
⇒bの判断が誤りです。上級財では、消費者の保有する資産額が増加すると需要は増加するため、需要曲線は右方向にシフトします。
エ a:誤  b:誤  c:正  d:誤
⇒cとdの判断が誤りです。補助金の交付は供給曲線を右方向にシフトさせ、原材料費の増加は供給曲線を左方向にシフトさせます。
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まず押さえたいこと

需要曲線と供給曲線のシフトでは、「消費者側の要因」は需要曲線、「生産者側の要因」は供給曲線に影響すると整理します。上級財は、所得や資産が増えると需要が増えやすい財です。一方、補助金や原材料費は企業の生産コストに関わるため、供給曲線のシフト要因になります。

迷ったときの判断軸

代替財の価格が下がると、消費者は代替財に流れやすくなるため、この財の需要は左方向にシフトします。上級財では、消費者の資産額が増加すると需要は右方向にシフトします。生産物1単位当たりの補助金は企業の実質的な生産コストを下げるため、供給曲線は右方向にシフトします。原材料費の増加は生産コストの上昇なので、供給曲線は左方向にシフトします。

2次試験につなげるために

この論点は経済学・経済政策の基本知識であり、2次試験に無理につなげるより、1次試験対策として整理することが重要です。需要曲線は「買う側の事情」、供給曲線は「作る側の事情」と分けて考えると、価格変化・所得変化・コスト変化が混ざった問題でも判断しやすくなります。