SPIでは全体の平均の値が分かっており、そこから個々の数値を推測するような問題も推論の分野では問われることがあります。
早速どのような形で出題されるか見てみましょう。
例題1
問題1
解説(クリックで展開)
Ⅰ)とⅡ)の結果から、ある程度の関係は把握できますが、正確な値を割り出すことはできない場合もあります。その場合、
不確定な要素から正解を選び出すことに注意しましょう。
平均から全体にかかった数値を出すには、平均\(×\)指標の数なので、
Ⅰ)より、
\[\verb|R| + \verb|S| = 8.0 \verb|(秒/人)| \times 2 \verb|(人)|= 16.0 \verb|(秒)|\]
Ⅱ)より、
\[\verb|R| + \verb|S| + \verb|E|= 8.5 \verb|(秒/人)| \times 3 \verb|(人)|= 25.5 \verb|(秒)|\]
となります。
Ⅱ)からⅠ)の値を引くことで、\(25.5 – 16 = 9.5\)となり、Eが\(9.5\)秒かかったことだけが分かります。
RとSの秒数は不明なことに注意して問題を見てみましょう。
- ア:RとSの結果の差は0.5秒以上である。
R、Sともに\(8.0\)秒だった場合、二人の結果の差は\(0\)秒となります。確実に正しいとは言えませんから不正解です。
- イ:Eがもっとも走るのが遅い。
Rが\(6\)秒、Sが\(10\)秒だったとします。二人の平均は\(8.0\)秒と言う条件を満たしつつEよりもSが遅いことになるので不正解です。
- ウ:Rがもっとも走るのが速い。
RとSのどちらが早いか分かっていません。よって不正解となります。
以上より、確実に正しい選択肢は無いことになります。
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問題2
R、S、Eの\(3\)人の\(50m\)走の結果について、以下のことが分かっている
Ⅰ):RとSの結果の平均は\(8.0\)秒である。
Ⅱ):RとSとEの結果の平均は\(8.5\)秒である。
上記のⅠ)、Ⅱ)に加えて以下のことが分かった。
Ⅲ):SとEの結果の平均は\(9.0\)秒である。
このときのRの結果は何秒か。
秒
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条件が増えるにつれ、個々の結果を求めることが可能になります。
平均については後ほど記事を書き、そちらにリンクしますが、ただの平均問題を解くだけです。
問題1で
が分かっていました。
ここでⅢ)より、
\[\verb|S| +\verb|E|= 9.0 \verb|(秒/人)| \times 2\verb|(人)| = 18.0 \verb|(秒)| \tag{c}\]
が新たに分かります。
(c)の式に(b)のE\(= 9.5\)を代入すると、S\(+ 9.5 = 18.0\)となり、
\[\verb|S| = 8.5 \verb|(秒)| \tag{d}\]
となります。
今度はこの(d)のS\(= 8.5\)を(a)に代入することで、
\[\verb|R| + 8.5 \verb|(秒)| = 16.0 \verb|(秒)|\]
が得られ、R\(= 7.5\)より、\(7.5\)秒となります。
解答(クリックで展開)
問題3
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あらためて今までの\(3\)人の結果を整理してみましょう。
R\(=7.5\)秒
S\(=8.5\)秒
E\(=9.5\)秒
これに加えて
\[\verb|B| +\verb|W| = 10.0 \verb|(秒/人)| \times 2 \verb|(人)| = 20.0 \verb|(秒)|\]
を追加します。
ではそれぞれの選択肢を見て行きます。
- カ:\(5\)人の中で最も早いのはRである。
確かに、R、S、Eの\(3\)人の中ではRは最速となります。
しかしB、とWが加わったことでどうなるでしょうか。
例えば、Bが\(7.0\)秒、Wが\(13.0\)秒だとしても、BとWの平均は\(10.0\)秒となりますが、最速はRではなくBということになります。
よって不正解です。
- キ:\(5\)人の中で最も遅いのはBかWのいずれか、またはその両方である。
\(3\)人の中での最も遅かった人はEで\(9.5\)秒でした。
ここで、BとWの平均が\(10.0\)秒と言うことは、二人とも\(10.0\)秒か、少なくとも片方は\(10.0\)秒以上かかっていることになります。
よって正解となります。
- ク:Eの結果より、S、B、Wの結果の平均のほうが遅い。
BとWの二人の個々の結果は分かりませんが、二人の結果の平均値は分かっています。
また、Rの結果も分かっているので、\(3\)人の結果の合計は以下のようにして求められます。
\[\verb|B| + \verb|W| + \verb|S| = 10.0 \verb|(秒/人)| \times 2 \verb|(人)| + 8.5 \verb|(秒)|= 28.5 \verb|(秒)|\]
ここから人数分で割ればよいので、\(28.5 ÷ 3 = 9.5\)となり、平均は\(9.5\)秒と分かります。
Eの結果も\(9.5\)秒だったため、Eの結果と、S、B、Wの結果の平均は等しいことになり、選択肢は不正解だと分かります。
したがって、答えはキのみになります。
解答(クリックで展開)
ADVICE
今回の問題は正しい答えが一つも無かったり、選択式ではなく数値を聞いたりしました。
このような形式の出題もあるので、答えがどれも不正解だったり、逆に全てただしかったりしても自信を持って答えてください。
また、問題の問い方で「必ず正しいのはどれか」と「成り立つ可能性があるのはどれか」では答えがまったく変わってくるので、問題文の読み間違えにも注意しましょう。
簿記とFP、情報処理技術者試験を多数保有。現在は宅建士と診断士に挑戦中!
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